はじめに
3月になると、なんだか落ち着かない。
卒業式や年度末の忙しさ、仕事の締め切り、子どもの進級準備…
やることが次々と押し寄せてきて、心がざわついてしまうことはありませんか?
「なんとなく、焦ってしまう」
「何かしなきゃ、でも何をすればいいのか…」
そんな気持ちのまま、毎日が過ぎていく──。
もしかしたら、あなたの中にも、そんなざわざわが静かに広がっているかもしれません。
私自身、毎年この時期になると「できなかったこと」ばかりを思い出してしまいます。
「もっと頑張れたはずだったのに」
「やろうと思っていたのに、まだ何もできていない」
気づけば、「4月になる前に終わらせなきゃ!」という思いが募って、ますます気持ちがざわついてしまうのです。
そんな時、家族に対しても、ついきつくなってしまうことがあります。
「もう3月なんだから」
「4月になるのに、まだこれやってないの?」
──そんな言葉が、自分の口から出てしまったあと、深く後悔することも。
でも、こんなふうに感じるのは、きっと私だけではないと思うのです。
特にHSP(繊細な人)や真面目な人ほど、強く感じやすいのではないでしょうか?
今回は、この「春のざわざわ感」の背景をひもときながら、
もし今あなたの心の中にある「ざわめき」が少しでも落ち着いて、
新しい季節をやさしく迎えるヒントとなればうれしいです。
春のざわざわ感の正体とは?
環境の変化によるストレス
春は、新年度・新学期・人事異動など、多くの変化が起こる季節。
たとえ自分自身に大きな変化がなくても、周囲の空気の変化を敏感に察知し、
無意識にストレスを感じてしまうことがあります。
「新しいことを始めなきゃ」という無意識のプレッシャー
春は「スタートの季節」というイメージが強く、
「新しいことに挑戦しなければ」「何かを変えなければ」
というプレッシャーを感じやすくなります。
特に真面目な人ほど、この思いに駆られて焦燥感を抱きやすいのです。
自然の影響(自律神経の変化)
冬から春にかけて気温が上がり、日照時間も長くなります。
これにより交感神経が活性化しやすくなり、
心が落ち着きにくくなることがあります。
気温差や花粉の影響も、自律神経の乱れを引き起こし、
ざわざわ感を助長する要因になります。
11月の自己反省会モードと似ている?
11月も「今年が終わる前に…」と振り返りをする時期。
春もまた、「新年度が始まる前にやるべきことを終わらせなければ」と考えがちです。
その結果、「こんなに何もできていなかったのかも…」と、
自己評価が下がってしまうこともあるのです。
ざわざわ感に押しつぶされないために
「春だから」と割り切る
このざわざわ感は、年度末特有の現象でもあります。
「またこの季節が来たな」と少し距離を置いて捉えるだけで、
心がスッと落ち着くこともあります。
焦っている自分に「春だから仕方ないよ」と、
そっと声をかけてあげるのもひとつの方法です。
「できたこと」に目を向ける
つい「何もできなかった…」と思いがちですが、
実際には、小さな積み重ねの中に「確かにやってきたこと」があるはずです。
・昨年より少しできるようになったこと
・気づけば続いている習慣
・苦手だったことに、少しだけでも向き合えたこと
思い出すだけではなく、紙に書いてみるのもおすすめです。
書き出してみると、「思っていたより、できていた自分」に出会えるかもしれません。
セロトニンを増やす習慣を取り入れる
ざわざわ感に振り回されないためには、心の安定を保つことが大切です。
そのために役立つのが、「セロトニン」を増やす習慣です。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、
感情や自律神経のバランスを整える働きがあります。
朝の光や一定のリズム運動によって活性化されるため、
春の不安定な気持ちにもやさしく働きかけてくれます。
・朝日を浴びる
・歩くなどリズムのある運動をする
・深呼吸や静かな時間をもつ
「春だから焦るのは自然なこと。でも、いま無理に頑張らなくてもいいよ」
そんなふうに、自分をゆるめる言葉をかけてあげるだけでも、
ふっと心がほぐれる瞬間があるかもしれません。
プレッシャーをやわらげる視点
「年度が終わる前にやらなきゃ」「3月のうちに片付けたい」と気負いすぎると、
本来のペースを見失ってしまうこともあります。
そんなときは、こう考えてみるのもひとつです。
・完璧じゃなくてもいい。
・変わることより、いまを整えることを大事にしてみる。
・焦りを「新しい風が吹く前の静けさ」として味わってみる。
春のざわざわ感に飲み込まれそうになったら、
「いま、ここにいる自分」に少し意識を戻してみてください。
窓を開けて風の音に耳を澄ませる。
あたたかな日差しを肌で感じてみる。
たった数秒でも、そんな時間が、自分を整えるきっかけになるかもしれません。
春は、静かに、でも確かに訪れます。
そのやわらかな季節に、無理のない自分でいられますように。
※この記事は、筆者の体験と一般的な知見をもとに、生活改善のヒントとして紹介しています。医学的な診断・治療を目的としたものではありません。
この記事を書いた人
いっしたまえ|心と体を整えるアドバイザー
敏感アンテナさんたちに寄り添いながら、
自律神経と眠りを整えるヒントをお届けしています。
元看護師・セロトニン活性アドバイザーとして、
「眠れる体と疲れない心に整える」サロン Calm time を運営。
自身と家族の体験を通して、心と体を支える知恵を発信しています。
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